創業から約400年の歴史を持つ竹中工務店。スーパーゼネコンの中で唯一「建築専業」という業態で事業を展開している建設会社です。2019年10月、東京・神田で開催された、日本経済新聞社主催による「建築土木フォーラム」では、竹中工務店・人事部能力開発グループの沼田芳斗さんが登壇。建設業界の基礎知識から、現在の業界の動向を説明。その上で竹中工務店の歴史や独自の経営戦略、人材育成などについて語ってくれました。

時代のニーズに応える
建設業は日本の基幹産業

沼田さんの入社は2015年。入社後1年間、神戸の教育寮で研修を終えた後、建築現場の事務に従事し、2019年4月に人事部の採用担当に着任しました。そんな沼田さんが最初に学生に投げかけた質問が「ゼネコンとは何でしょうか」というもの。一人の学生の「ゼネラルコントラクター」という正解を受けて、沼田さんは建設業界についての説明を始めました。「ゼネラルコントラクターは、いわゆる総合建設業のことであり、工事全体を請け負う建設会社を指します。ものづくりは、事業を計画する発注者がいて、それを受けて設計する設計事務所があり、そして工期や工法、コストを検討して実際にものをつくる私たちゼネコンがいます。ただし、竹中工務店は設計事務所の顔を持っており、設計・施工を一貫して担当できるのが当社の特徴の一つです」。さらに建設業は「受注生産の一品生産」であること、「現地でものづくりをする」こと、そして「B to Bのビジネスであり、すべての業界が顧客」であることを指摘しました。

建設業はGDPの約10分の1(約54兆6000億円)を占める日本の基幹産業であり、その数は全国に約46万8000社にも及びます。この建設業界の最近の動向で注目されているのが、東京オリンピックや大阪万博開催により高まる建設ニーズ、また都市再開発の動きも活発化しています。他方、技術面に目を転じてみると、ロボットやAI、VR導入の動きがあり、環境問題の高まりから、消費するエネルギーを限りなくゼロにする建物「ZEB」の推進などがあります。沼田さんは「時代のニーズに応え、様々なことを取り込みながら、建設業界は進化し続けている」ことを強調していました。

手がけた建物は「作品」
徹底した高い品質の追求

竹中工務店は、1610年に名古屋で創業、寺社仏閣の造営を主業としていたといいます。1909年に合名会社竹中工務店を設立、その後ランドマークとなる数多くの建築物を手がけてきました。竹中工務店を語る上で重要なことの一つは、手がけた建物を「作品」と呼んでいること。そこには建物は社会の資産であり、後世に伝え継ぐものという考えがあるといいます。そうした仕事に携わる誇りが「作品」とういう言葉には込められているそうです。「東京タワー、大阪梅田のスカイビル、新宿のゴジラビル、国内5大ドーム、サッカースタジアム、有明アリーナなど、著名で多くの人に愛される建造物を手がけきました。また、唐招提寺金堂の修理をはじめとした歴史的な伝統建築においても多くの実績を残しています。さらに海外でも高く評価されています。シンガポールのチャンギ空港をはじめ、タイやマレーシア、カタールなどの空港建設も受注。海外事業は米国、欧州、アジアで展開しており、現在の売上比率は約15%。今後も中長期的に拡大していく計画です」

一般に、売り上げ規模が大きい上位5社がスーパーゼネコンと呼ばれます。竹中工務店はその一角に位置しますが、他4社とはどのような違いがあるのでしょうか。まず沼田さんは、竹中工務店の理念は「最良の作品を世に残し、社会に貢献する」ことと強調しました。その実現のために採用したのが「建築専業」「非上場」「設計・施工」の3点であり、そこが他4社との大きな違いといいます。確かにスーパーゼネコンの中で建築専業は竹中工務店のみです。そのワケを沼田さんは次のように語りました。「当社が何よりも重視するのが品質です。品質にかける私たちの想いは高い評価を受けてきました。この品質を担保するため、私たちは信念を持って建築に専念し、品質を追求し続けています」。続いて「非上場」。「当社は健全な財務体質による堅実経営を進めています。その中で最良の作品を世に残すことに取り組んできました。特定の利害関係者に経営を左右されずに、高い品質の作品を生み出すために、株式を公開しない非上場の経営を行っています」。3つ目の「設計・施工」は前にも指摘がありましたが、設計から施工までの一貫体制を指しています。「品質の高い作品を生み出すためには、建築計画の初期段階からつくり込みをする必要があります。そこで設計から施工まで一貫して担当することが重要だと考えています。もちろん他社も自社設計に取り組んでいますが、当社の設計・施工比率は、頭一つ抜き出た67.6%と高い割合を示しています」

竹中工務店の人材育成の中で、特徴的なのが新入社員研修です。入社した新入社員(総合職)は、1年間、神戸の教育寮において寮生活を体験しながら、ローテーションにより大阪本店管轄の3つの部署を経験し、様々な実務研修を受けることになります。朗報なのが、2019年秋に新しい寮が竣工したこと。「新しいだけに快適な寮生活を過ごせると思います。人によっては、1年間の寮生活を息苦しく感じるかもしれませんが、経験者の多くが、帰宅すると同期がいて励まし合える環境の良さを指摘しています。もちろん、同期の絆も深まります。当社は入社後3年間で離職率1.7%という低さを実現していますが、1年間の寮生活もその背景にあると思いますね」。


その後沼田さんは、持続可能な社会に向けた国連のステートメント「SDGs」に沿った木質建築の取り組みや「健築」という考え方、ロボットやAIの取り組みなどを話してくれました。最後に沼田さんは、竹中工務店で活躍している人材は「強い覚悟と粘り強さを持っている人」であり、「困難を乗り越えたときの感動、達成感は非常に大きなものがある仕事です。それを感じてもらいたい人に入社して欲しい」と、学生に熱く呼びかけました。

竹中工務店の人材育成の中で、特徴的なのが新入社員研修です。入社した新入社員(総合職)は、1年間、神戸の教育寮において寮生活を体験しながら、ローテーションにより大阪本店管轄の3つの部署を経験し、様々な実務研修を受けることになります。朗報なのが、2019年秋に新しい寮が竣工したこと。「新しいだけに快適な寮生活を過ごせると思います。人によっては、1年間の寮生活を息苦しく感じるかもしれませんが、経験者の多くが、帰宅すると同期がいて励まし合える環境の良さを指摘しています。もちろん、同期の絆も深まります。当社は入社後3年間で離職率1.7%という低さを実現していますが、1年間の寮生活もその背景にあると思いますね」。


その後沼田さんは、持続可能な社会に向けた国連のステートメント「SDGs」に沿った木質建築の取り組みや「健築」という考え方、ロボットやAIの取り組みなどを話してくれました。最後に沼田さんは、竹中工務店で活躍している人材は「強い覚悟と粘り強さを持っている人」であり、「困難を乗り越えたときの感動、達成感は非常に大きなものがある仕事です。それを感じてもらいたい人に入社して欲しい」と、学生に熱く呼びかけました。

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